atelier HIBARI

Johannes ITTEN

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京都造形芸術大学通信部でのスクーリングが終りました。
1日8時間計2日間、20数名の学生が広い大きな教室で物音も立てず静かに課題に取り組む。

通常私が担当する授業内容は、考えること、リサーチすること、アイデアを形にすることなど
成果物よりもその過程を迷いながら自由に進み発想力や創造力を育てるという内容の物が多いのですが
この授業は基本に返り、徹底した技術と知識の習得を目的としています。
発想力や創造力以上に、日本では技術と知識がアイデアを形にする役目を担っていることが多いと思います。
この授業では明確に与えられた目的達成に向け、幾つもの課題に取り組みます。

以前は授業中に、クラッシックや現代音楽を流しリラックスした雰囲気を作りましたが
私たちの日常生活にはあまりにも多くの文字や音による情報がつきまとうので
今回は一切の音を無くし、静かな中で制作をしてもらいました。
唯一の癒しは窓一面の緑と雨音。

学生の制作するその姿はまるで雨のしとしと降る
京都の禅寺で写経に勤しむ修行僧のようでした。

物音の一切しない中、8時間もの間集中して制作をすることは
思いがけず、精神的にも良い効果を得られたのではないかと思います。
出来上がった作品もかなり高い質を保っていたように思います。
短期集中し、力を出し切るという良い訓練にもなったように思います。

話しは変って、長期集中について。
学生の課題も、プロの仕事も短いスパンでネットから情報を刹那的に得て
制作するということが多くなってきているような気がします。
もちろん仕事となれば、予算や時間の制約があるのは仕方の無いことです。
けれどもなんだかそのせいでか、センスが良く洗練されているアイデアやモノだけど
何処かで見たことのあるアイデアとモノのオンパレード。正直ちょびっと退屈気味です。
(と、言いつつ、それは、いつも、自分に向けて、語っているのです…)

本来は長い期間をかけてじっくりアイデアを熟成させながら制作することも必要で
そのような経験や訓練から、短期間で解決しなければならない様々な問題にも
対応する力やオリジナリティーが身に付くのだと思います。
せめて学生の間は、じっくりと考え、探究、実験し、形にするという
経験をさせてあげたいなと思います。
その為の環境(人も)や設備も提供する必要があります。

今年のスクーリングはこれでおしまい。
また来年も少しづつ改善し、良い内容にしたいと思う。
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by atelierhibari | 2014-07-03 21:18 | School